AICJ鴎州学園理事長の竹村健一氏が自身のブログに書いたAICJ鴎州学園についての記事を以下に紹介します。
これは
竹村健一の世界を見る目の2007年03月01日付のブログ記事です。竹村氏はAICJ鴎州学園のHPによれば、2009年4月よりAICJ鴎州学園顧問に就任予定ということです。竹村氏は1930年4月生まれですから80歳を機に理事長から顧問にということなのかもしれませんね。
2007年03月01日
竹村健一の世界を見る目
飛び入学が可能な在外IBスクール
2月17日夜10時からのTV番組「ブロードキャスト」で、ユニークな学校としてAICJ(Auckland International College Japan/Academy International Community)が紹介された。ここは2006年に広島市に開校された男女共学の中高一貫校で、実は私はそこの理事長になっている。そのユニークさに魅せられたからだ。ここの経営母体は鷗州塾というところだが、ニュージーランドで作ったAICはIB(国際バカロレア)という世界的な大学の入学資格があるカリキュラムを持つ学校である。
そこで3年間の高校教育を終えた生徒50人のうち25人がロンドン大学に、他にハーバード大学やケンブリッジ大学など世界のトップクラスの大学に9割以上が進学したという実績を持つ。そのことが話題になり、その日本校を「英語で授業する学校」としてAICJをテレビ番組で取り上げたのである。
私は最近、英語を一つの科目として勉強することがムダではないかと考えている。日本の英語教育は文法だとか発音だとか詳しく行うが、結果として中学校で3年、高校で3年、大学で4年英語を習っても、英語の本も読めなければ英語も喋れない。そこで文部科学省は、小学校のカリキュラムに英語を取り入れたりしているが、それはほとんどムダになると、私は考えている。
先のオークランドのAIC校は校内随所に「English Only」と張り紙があるように、朝起きてから夜寝るまで全て英語である。寮も学校と同じビルの中にあるので24時間「英語漬け」になるわけだ。同じシステムの広島のAICJができて3カ月後に授業を参観してきたが、全ての授業が英語で行われていた。そして小学校を3カ月前に卒業した子供たちが英語の質問に英語で答えるのを目の当たりにした。まさに英語漬けの効果なのであろう。
AICの授業風景
ところでオークランドのAICで、私は門間君という二人の天才兄妹に出会った。兄の方は中学3年生で、高校の授業を全部飛び越えて今度ハーバード大学を受けることになっているという。妹の方は小学6年生で、こちらは中学の授業を飛び越えて高校1年生になるという。
日本では文部科学省の方針もあり、初等中等教育では飛び級は認められていない。高校になって1年の飛び級だけは条件付で認められているが、飛び入学は受け入れ制度をもっている大学しか認められていない。つまり、日本にいては彼らのような飛び入学は許されていないのである。
この兄妹がAICに行くキッカケになったのは、ユニークな風貌と教え方で有名な数学者の秋山仁氏が「君たちは日本の学校では納まりきれない。外国で学んだ方がいい」と言われたからだという。教育についても世界を視野に入れて見る必要があるからだ。私も秋山氏に同感である。こういう風潮がもし日本に広がれば日本の天才児童は皆、日本の外で学ぶようになるのでは、と心配になる。
生徒たちに本当の"世界人"の姿を見た
ところで、なぜ広島の地方都市にある鷗州塾がニュージーランドにAICをつくったのか。この経営母体の代表者である光田氏は、当時ニュージーランドの為替がすごく安かったからだと説明してくれた。1ニュージーランドドルが40円であったという。校舎も安く手に入り、教師も安くて優秀な人が集まり、生徒の生活も非常に安くできたわけである。イギリスやアメリカ、オーストラリアなどの英語圏と比べて二ユージーランドを選択したのはまさしく賢明であった。
そしてニュージーランドで学校を始めるにあたり、中国やベトナム、タイなどから優秀な生徒を授業料免除の奨学生として招いた。これもユニークな取り組みで、学校そのものを国際的な場所にする手段としても有効だし、世界の優秀な頭脳と一緒に日本人が学ぶことの有益性は非常に大きいのである。ハーバード大学の入学試験に受かったのは、そのなかのベトナムの少女だったという。
日本の多くの受験生は東京大学、京都大学、そして慶應大学、早稲田大学等に入ることを目的とするが、AICの学生は最初からハーバード大学やケンブリッジ大学に入ろうと思って勉強しているのだ。日本では考えられないことが、こういうIBスクールをキッカケにどんどん可能になってくるのである。
AICタワー
そんな評判を呼んで、今までならラ・サール高校や灘高校などの試験に通った連中が、そこを捨ててAICJに集まり始めたのである。
私は昨年4月に入学したある中学生から「将来は、医者になりたい」と聞いたので、「医者なら東大でも慶應大学でもいいではないか」と言った。そうすると「私はフランスで有名な"国境なき医師団"に入りたいのです」と答えた。また他の子からは「私はニューヨークの国連の職員になりたい」と聞いた。
日本ではニートとかフリーターが氾濫しているが、中学1年生で世界を見据えている人たちもいることを知ることができた。それで私は彼らへの入学式の挨拶に「おめでとうという月並みな言葉は言いたくない。日本のため世界のためにおめでとうと言いたい。なぜならこの日本から世界に貢献するような人が育つ、今日はその一歩だから。世界人の誕生おめでとう」と言った。
少子化もあいまって、教育産業も年々競争が激化してくる。学校の統廃合も日常茶飯事となっているようで、AICJにも校舎の提供などのオファーが結構あるようだが、それは学校の特長が十分に認められているからだ。マクドナルドの創始者であるレイ・クロックは「Be daring, Be first, Be different」(勇気をもって、誰よりも早く、人と違うことをやれ)という成功への方程式を挙げているが、このAICJはまさにそれを実践したのである。
英語は習うものではなく身につくように英語圏で学ぶ、それも物価を考えて一番安いところで行い、実績を作るためにアジアの他の国から優秀な生徒を奨学生として遇する、IBスクールの経験豊かなスタッフをそろえるなど、いろいろな面で他とは違ったやり方を日本で最初に行ったのである。そして、その成果そのものが高い評価になっているのである。
2007年03月01日